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コンビニのPOSレジはどのくらい進化している?2019最新コンビニPOSレジトレンド

近年、コンビニのPOSレジが進化しています。大手コンビニが既存のPOSレジの刷新を進め、最新型POSレジの導入が進んでいます。コンビニPOSレジの進化は、コンビニが抱える課題解決やこれからのコンビニに求められる対応を実現する変化です。

本記事では、コンビニのPOSレジがどのくらい進化しているのかをご紹介していきます。コンビニの無人化などの動向にも触れるため、最新コンビニPOSレジのトレンドを捉えていきましょう。

コンビニのPOSレジが進化した背景

最新のコンビニPOSレジの進化には、いくつかの背景があります。社会の変化によって、コンビニを取り巻く状況が変化し、対策のひとつとして、POSレジの改善に取り組まれています。3つの背景からコンビニPOSレジの進化を解説していきます。

人手不足の深刻化

経済産業省が2019年3月に発表した「コンビニ調査2018結果概要」において、フランチャイズ加盟店オーナーに対して、従業員の状況に関する質問がありました。回答は、「従業員が不足している」が61%、「従業員は足りているが何かあれば運営に支障が出ると思う」が34%を占め、ほとんどのコンビニが人手不足に直面し、危機感を覚えていることがわかります。人手不足の理由には、「コンビニ業務が複雑になっている」「業務が大変というイメージがある」など、業務の大変さが影響していると考えるオーナーもいたようです。

他にも深夜時間帯で人員が足りないというコンビニも多く、営業時間を短縮するコンビニも増えています。そこで解決策のひとつとして、最新POSレジの導入が進められています。見やすくわかりやすいディスプレイや操作方法に変更したり、スタッフを必要としないPOSレジシステムの実験を行ったりするなど、人手不足の解決に向けて、POSレジが変化しています。

顧客を取り巻く環境の変化

顧客を取り巻く環境も変化しています。そのひとつがキャッシュレス決済の普及です。キャッシュレス決済の種類や対応している店舗が増え、利用者が増えています。一般社団法人キャッシュレス推進協議会の「キャッシュレス・ロードマップ2019」によると、2016年時点で日本はキャッシュレス決済比率が19.9%となっています。世界的にまだまだ低いですが、比率は上がっていっていると言われています。

キャッシュレス決済の普及によって、セキュリティを重視する必要性が出てきました。カード情報を不正に取得される被害もあり、POSレジのセキュリティ対応も元られます。

POSレジの進化のひとつとして、顧客側に取り付けた決済端末やセキュリティ規格の採用などに取り組まれています。

訪日外国人の増加

日本には、毎年多くの外国人が訪れています。JTB総合研究所によると、訪日外国人は2019年6月時点で前年同月比+6.5%の2,880,000人訪れています。今年だけでなく、2015年から継続的に増加中です。

訪日外国人の増加は、コンビニにとっても見逃さない状況でしょう。訪日外国人をしっかり取り込むことで売上アップを実現しやすくなります。そのために、最新POSレジには、多言語対応やキャッシュレス決済の充実など、インバウンドに対応したPOSレジ機能が搭載されています。

コンビニのPOSレジはどのように進化しているのか

コンビニのPOSレジがどのように進化しているかを具体的に紹介していきます。コンビニの人手不足や顧客の利便性の向上などを目指して、POSレジが進化しています。さっそくPOSレジの進化をそれぞれ見ていきましょう。

POSレジの多機能化・省スペース化

POSレジは、POSレジ対応における省力化のために多機能化しています。フルタッチスクリーンやキーの変更などによって、簡単に操作することができます。コンビニのレジ対応は、通常の商品だけでなく、各種サービスや公共料金の決済など覚える対応が多いです。操作が簡単になることで、スタッフの負担を減らし、ミスを減らすこともできます。

また省スペース化も実現されました。キー部分をなくしたり、キャッシュレス決済端末を内蔵するなどによって、コンパクト化されています。レジのスペースが増え、レジでの対応が快適になりました。

客層キー廃止による負担軽減

POSレジの進化として、客層キーを廃止するコンビニが増えています。会計時に顧客の性別や年齢を入力するキーで顧客分析に役立てられていましたが、従業員の負担を軽減するという目的でいくつかの大手コンビニのPOSレジで廃止されました。キーの数が大幅に減り、レジ操作にキー操作が必要なくなり、見やすくわかりやすいPOSレジになっています。

実際、客層キーの正解率が低いことやポイントカードで顧客情報収集できるなど、客層キーの必要性が薄れているようです。

多言語表示機能

インバウンド対応のひとつとして、コンビニの最新POSレジには多言語表示機能が追加されました。外国人客に対して、多言語表示を用いて、スムーズな会計を進めることができます。

また従業員側も多言語にできるコンビニPOSレジもあります。日本には訪日外国人だけでなく、外国人労働者も増えています。厚生労働省の「外国人雇用状況の状況まとめ」によると、前年に比べて14.2%増加しているようです。特に中国やベトナムなどアジアからの労働者が多くなっています。今後増えるであろう外国人労働者でも、スムーズに利用できるPOSレジに進化しています。

キャッシュレス決済・免税販売

キャッシュレス決済は、訪日外国人と国内のキャッシュレス普及に対応しています。ほとんどのキャッシュレス決済に対応しているだけでなく、顧客側画面に利用できるキャッシュレス決済を大きく表示するなど、分かりやすく変化しました。

また外国人旅行者を対象にした免税販売機能もあります。簡単な操作で対象商品を税抜で販売できるようになります。インバウンドに対応したPOSレジ機能のひとつです。

大手コンビニPOSレジの進化

ローソン・セブンイレブン・ファミリーマートといった大手コンビニが2017年から最新POSレジの導入を開始しました。3つのコンビニがどのように進化したのか、それぞれ解説していきます。

ローソン

ローソンの最新POSレジは、フルタッチスクリーンのPOSレジを採用しました。従来のPOSレジに合ったキー部分をなくし、よりコンパクトで使いやすいPOSレジに進化しています。フルタッチスクリーンは、従業員側だけでなく、顧客側にも採用されていて、従業員・顧客両者が表示を見やすく、直感的な操作ができるようになりました。スタッフの負担軽減による人手不足の解消、顧客の利便性の向上を目的としています。

合わせてキャッシュドロアの代わりに自動釣銭機も導入しました。現金の扱いが簡単になり、慣れないスタッフもミスなく円滑にレジ対応できるでしょう。さらに、操作画面の多言語対応も搭載しています。英語や中国語などに対応し、外国人労働者に優しいPOSレジになりました。

セブンイレブン

セブンイレブンでは、最新POSレジにコンビネーションキーボードを採用しました。数字や客層入力に使うハードキーとさまざまな決済を選択できるソフトキーを兼ね備え、より直感的に操作できるように進化しています。イラストを使用したガイダンスもあり、誰でも心理的な負担なく、レジ対応ができるように改善されました。

キャッシュレス決済については、電子マネー決済端末とクレジットカード決済端末を顧客側に設置し、操作してもらうようにPOSレジが変わっています。セキュリティに考慮した変更点で、データの転送においても暗号化を実現し、安全な決済が可能になりました。利便性向上として、nanacoの決済スピードが3割アップし、スムーズな決済も実現しています。

ファミリーマート

ファミリーマートの最新POSレジは、従来のPOSレジよりも約13%サイズが小さくなり、POSレジの省スペース化を実現しました。加えて客層ボタンも廃止されています。ポイントカードでの顧客情報収集に切り替えて、より正確な情報収集と操作の手間軽減を実現しました。

コンビニのPOSレジは無人になる?

コンビニのPOSレジは、最新POSレジの導入にとどまりません。まだ実証実験の段階ですが、大手コンビニ3社では無人化、省人化を実現するシステムの開発が進められています。これから普及する可能性の高い新たなシステムもおさえておきましょう。

ローソンの深夜時間帯無人営業

ローソンでは、深夜時間帯の無人営業を2019年8月から開始しています。従業員の不足を解消する対策として、深夜0時から5時までを無人化する取り組みです。仕組みは、ローソンアプリを使ったQRコードでの入店、顔認証での入店で店舗に入ることができ、無人レジで会計するというものです。

会計は、スマホ決済だけでなく、自動釣銭機を搭載したセルフレジもあり、現金決済にも対応しています。お酒やたばこ、チケット決済などは、年齢確認や手続きが難しいため、取扱できないようです。実験初期はスタッフを1名に配置しますが、無人化への移行が予定されています。

セブンイレブン

セブンイレブンでは、NECグループ会社社員を対象にした実験店舗をオープンしました。場所は、NECグループ会社がある三田国際ビル20階で、NECグループ会社社員以外は利用することはできません。

店舗は、コミュニケーションロボットを利用した無人コンビニとなっています。入店時には顔認証を行い、セルフレジで決済を行います。顧客の利便性だけでなく、AIを活用した発注提案や設備の稼働管理、映像解析によるエリア検知など、運営を助けるシステムも充実しています。

また、三田国際ビル地下1階にある2つ目の店舗は、従業員を1名常駐させた形で運営をしています。セブンイレブンは、完全に無人にすることは考えていないようで、コミュニケーションを活かした上でコンビニの省人化を目指しています。近い将来、最低限のスタッフとセルフPOSレジのあるセブンイレブンが増えるかもしれません。

ファミマミライ

ファミリーマートは、LINE株式会社と連携して、ファミマミライというAIコンビニの実現を目指しています。コンセプトムービーを見ると、無人コンビニの先駆けであるAmazon goに近い形で実用化を目指しているようです。

Amazon goでは、入り口のゲートで専用バーコードをスキャンして入店し、商品を手に取って店舗を出ると自動で決済が行われます。生鮮食品を扱っているため、調理スタッフは配置されています。

ファミマミライでは、レジを必要としない決済だけでなく、通常のPOSレジも採用するようです。対面販売と自動決済を兼ね備えて、両方にニーズに応える工夫と言えるでしょう。購買を促す情報提示にもAIが活用されています。ディスプレイにおすすめ情報や割引情報などが表示されている様子がムービーにあります。

完全無人や1人の従業員配置ではなく、店内にも複数人従業員が配置され、商品補充やお客様対応に関わっている様子がムービーで見受けられました。AIを活用して省人化を実現しながら、顧客とのコミュニケーションも大切にするというコンセプトがあるようです。

まとめ

コンビニPOSレジは、人手不足や訪日外国人の増加などを背景に進化しています。多機能・省スペース化、多言語・免税対応、キャッシュレス対応といった機能が備わり、従業員と顧客の両方に良い影響を与えています。コンビニはPOSレジの変化だけでなく、テクノロジーを活用した無人化・省人化に向けても変化しています。最新コンビニPOSレジをおさえた上で、今後の動きにも要注目です。