POSシステムは私たちの生活に関係しているシステムです。多様な機能を持つことからさまざまな業種で導入が進んでいます。
POSシステムの概要や仕組み、種類などについて解説していますので、ぜひご覧ください。
目次
POSシステムの概要
POSシステムは、商品の売上、在庫数などマーケティングに必要となる情報を管理するシステムです。
POSは「Point of Sales System」の略となり、商品販売において1つ1つの売上実績を集計することを表しています。
POSシステムは現在、小売業全般で導入され、その技術は進歩し続けているのです。
POSシステムの仕組み
POSシステムには、バーコードスキャナやプリンターなどの周辺機器が付帯しています。
こうした機器により情報の入力や出力を行っているのです。
仕組みについては、下記の通りです。
1.商品のバーコードなどをスキャンすることで、商品情報が端末に送信されます。
2.送信されたバーコードの情報が店舗のパソコンに送られます。その後、その情報をもとに商品に関する情報がPOS端末に返送されます。
3.店舗のパソコンに売上の情報がデータとして記録されます。
大手企業などの場合は、データとして記録された売上の情報が本部に送られ、本部は各店舗から集めた情報を基にして、在庫管理や情報分析を行うのです。
POSシステムの種類
POSシステムには、さまざまな種類があります。
ここでは、代表的なPOSシステムについて解説します。
ターミナルPOS
コンビニなどで使われているので、見たことがある人は多いでしょう。
デスクの上に置ける小型のものから、カウンター込みの大型のものまで大きさはさまざまです。
電子マネー機能などが付属しているなど、高性能な機器です。
そのため、購入する場合は、1台で50万円を超えることも珍しくありません。
耐久性に優れ、操作性が高いため、最も導入数が多いPOSシステムです。
高額なので、導入に適しているのはチェーンストアのレジや多店舗企業を目指す大企業でしょう。
パソコン型POSシステム
パソコンにPOSシステムをインストールし、周辺機器をつなぎPOS端末として使用するのが特徴です。
POSシステムとして活用でき、店舗と本部間でメールの送信、顧客分析などの機能も利用できます。
種類に関しては、ノートパソコンタイプとディスクトップパソコンタイプの2種類です。
ハンディーターミナル型POSシステム
手に持つことができるハンディーターミナルをPOSシステムの専用端末として使います。
スーパーなどの小売店で、発注作業用の端末として用いられます。
小型でバッテリーの持ち時間が長いため、飲食店で利用される場合があり、スペースの余裕がない店舗でPOSレジとして導入も可能です。
タブレット・スマートデバイス型POSシステム
スマホやタブレットをPOS端末として使用するスマートデバイス型の導入も浸透しています。
POSシステムはappstoreなどでインストールが可能で、店舗はタブレットやスマホを用意するだけでPOSシステムを簡単に導入できます。
周辺機器を導入する際に費用は別にかかるものの安価なので、導入のハードルは低いです。
個人商店や小規模な小売店などの中小企業で導入が進んでいます。
全ての機器が無線LANなどの無線通信になるのが特徴です。
POSシステムの持つ機能
POSシステムがさまざまな業種で使用されている理由は、店舗経営などを行う場合に有効な機能があるからです。
POSシステムの主な機能を解説します。
売上に関する機能
売上登録
販売した商品情報を集計し、その情報をデータベースに登録することで管理する機能です。
買い物などに行った際に、店舗の従業員が商品コードをスキャンするとその商品の価格が出てきます。
これはバーコードなどの商品コードをスキャンすることで、商品の単価を自動的にディスプレイなどに出力しているのです。
釣り銭の計算
お客様が支払った金額と購入した商品の合計金額を差し引くことで、自動的に釣り銭金額を計算する機能です。
計算だけではなく、自動で釣り銭の払い出しを行うPOSも導入されています。
レシート発行
会計後にレシートの発行を行う機能になります。
決済機能
電子マネーやクレジット決済を行うことができるのはこの機能があるからです。
電子マネーやクレジット決済の普及が進んだだけではなく、モバイル製品を使用しての決済が可能となったため、この機能が重要視されているのです。
売上分析
売上金額を集計し、その結果を分析する機能です。
データベースにデータが保管されているため、過去の売上情報も簡単に見ることができます。
売上ジャーナル
売上ジャーナルは、レジの売上データを出力したものであり、レシートと同じ内容が記載されています。
原則として売上ジャーナルは7年間紙で保管するのが義務となります。
しかし、税務署に申請を行うことにより、電子データのままで保管しておくことも可能です。
商品管理機能
商品名称、値段などの商品情報を登録できる機能です。
基幹システム内にある情報とPOSシステムを連携することが多くなっています。
商品の発注を本部に行う発注機能、在庫数の登録を行う在庫管理機能も商品管理機能の一部と言えます。
顧客管理機能
顧客属性を登録する機能です。
会員カードがある場合、カードを読み取ることで顧客管理システムとの連携も行えます。
顧客情報を管理しつつ分析を行うことで、顧客満足度を向上させる施策を実施し、販売促進につなげることが可能です。
人事機能
従業員やアルバイトなどの出退勤を管理する機能であり、給与システムに出退勤実績を連携することもできます。
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POSシステムが導入される理由
POSシステムが導入されるのは店舗を運営するうえで有益な点が数多くあるからです。
POSシステムが導入される理由をひもといていきます。
業務を効率化できる
POSシステムでは、バーコードで金額や商品情報を読み取るため、手打ちのレジに比べ素早く会計業務を行うことが可能です。
また、従来のレジでは、閉店後にレジ締めの作業が必要となり、閉店後にスタッフが残って作業をしなければいけない状況でした。
POSレジでは、売上情報を自動で集計するため、閉店後の売上集計にレジ締めを行う必要がありません。
そのため、会計業務・売上集計の効率化を図ることができます。
不正や誤操作の防止
レジ担当者の使用履歴が残ることにより、誰がいつレジ処理を行ったのか確認することができるため、不正を防止することができます。
商品の金額を覚えなくても、POSシステムでは、商品の金額があらかじめ設定してあるため、手打ちする機会が少なく、打ち間違いや誤打を防ぐことが可能です。
また、操作が簡単でレジスタッフの教育が簡単に行えるため、レジを操作できるスタッフを増やすことができます。
データの収集と分析が簡単
POSシステムには、レポート機能が搭載されているため、商品の売れ行き動向を簡単に確認できます。
また、過去のデータの確認も簡単になり、これまでExcelなどを使用して実施していた分析の簡略化が可能です。
売上情報に顧客情報などの要素を組み合わせることで、詳細な販売データを作成できます。
そのデータをマーケティング材料として活用すれば、店舗の売上アップに結びつきます。
データの一元管理
複数の店舗を経営している場合、POSシステムを導入すれば、各店舗の情報の連携、売上情報をいつでも確認できるので安心です。
それだけではなく、店舗にいなくても在庫状況が確認できるので、在庫管理などのコスト削減にも有効です。
低価格でも導入が可能
POSシステムは、導入に費用がかかるため、店舗を数多く展開するような大企業などしか導入できていませんでした。
しかし、現在スマホなどを活用したPOSシステムが増加傾向であり、資本の限られている中小企業でも導入できます。
低価格POSの導入を行う場合は、スマホやタブレット端末、レシートなどを印字するプリンターなどの付属品は別に用意する必要があります。
低価格だから機能は期待できないと思われるかもしれませんが、小規模の店舗運営であれば、十分に活用できるでしょう。
POSシステムの業種ごとの活用例
POSシステムを導入している店舗は少なくありません。
業種ごとにどのように活用できるかを紹介します。
飲食店
飲食店では、商品売上分析や在庫管理に活用できるだけではなく、混雑時の会計でも時間をかけずに行うことができます。
また、スタッフのシフト管理、仕入れ、予約、売上などの情報を一元化して管理することが可能です。
顧客情報の管理を行うことにより、常連のお客様に対してスタッフの接客が均一化するなど店舗にとって重要なリピーターも獲得しやすくなります。
アパレル
POSシステムであれば、お客様が欲しい商品の在庫確認を行う場合でも、倉庫に行かなくてもレジで確認できるため、確認する時間を短縮できます。
また、複数の店舗がある場合には、その店舗にお客様の希望するサイズが無くても、希望のサイズが置いている店舗を伝えることが可能です。
病院
病院では、患者ごとの年齢や体調などのデータを保管できます。
電子カルテを採用しているのであれば、タブレットに随時記録され、データはクラウド上に保管されます。
それにより、医師は院内にいなくても外部からカルテを確認することが可能です。
タブレットで診察のカウンセリングシートを作成すれば、事務スタッフの作業が軽減され業務の効率化に繋がります。
まとめ
POSシステムは、多様な機能を持っているため、さまざまな業種において業務の効率化を図ることができます。
費用がかかるものの大規模店舗だけでなく、中小企業などでも導入が可能なPOSシステムが普及し始めているのです。
店舗の売上情報の把握や業務の効率化に繋がるPOSシステムにはさまざまなメリットがあります。
そのメリットを最大限活かすためにも、導入を検討する場合は目的や店舗の規模にあった機種を選ぶようにしましょう。