この記事の要約

飲食店の人手不足は深刻で、早急な対応が求められています。少ない人員でも運営できる業務の効率化や労働環境の改善などの人手不足対策が必要です。飲食店の人手不足対策として、POSレジの活用方法をご紹介します。人手不足解決を目指せる店舗運営の改善についてもぜひ参考にしてみましょう。

深刻化する飲食店の人手不足にPOSレジ活用で対策!

業種・業界によって違いがあるものの、日本全体で企業の人手不足が問題視されています。人口の減少をはじめとして、完全失業率や有効求人率の推移などから、人手不足の現状が見えてきます。中でも飲食店の人手不足は深刻で、労働環境や労働条件などの要因で、人材獲得に苦戦しています。そこで人手不足対策として考えたいのが、POSレジの活用です。

本記事では、飲食店の人手不足を解決する方法として、POSレジの活用方法をご紹介します。POSレジ活用と合わせて取り組みたい対策もご紹介するのでぜひ人手不足の解決に役立ててみましょう。

人手不足に悩む飲食店が増えている

さまざまな業界・業種の企業・店舗が人手不足に悩むなか、飲食店の状況は深刻です。厚生労働省職業安定所が発表した「人手不足の現状把握について」によると、2017年時点の産業別人手不足感において、宿泊業・飲食サービス業が医療・福祉に次ぐトップ4に位置しています。

また帝国データバンクが発表した「人手不足に対する企業の意識調査 2017年1月」では、非正社員において不足していると感じている業種で、飲食店の80.5%が人手不足を実感しているという結果が出ています。

また飲食店は、離職率が高く、大企業と中小企業の差が大きいのも特徴です。

職業安定所のデータを参考にすると、
・34歳以下:大企業約10%・中小企業約20%、
・35歳~59歳:大企業約5%・中小企業約20%
・60歳以上:大企業約5%・中小企業約25%
という結果が出ていました。飲食店の特徴である不規則な労働時間帯や賃金などの要因が影響して、人材が離れることが多いと言えるでしょう。

飲食店に関わらず、人手不足が原因となった「人手不足倒産」も増えています。従業員退職型・求人難型は、人手不足が廃業に直結している倒産です。店舗を継続的に運営するためには、人手不足の解決や業務の効率化などの対策が求められています。

飲食店で人手不足が起こる原因

業種の中でも人手不足が深刻な飲食店ですが、なぜ人手不足が起こりやすいのでしょうか?原因には、飲食店の営業形態が影響し、従業員への負担が大きいと考えられます。飲食店で人手不足が起こる3つの原因を説明していきます。

休日が少ない

飲食店は、多くの企業とは異なり、土日も営業している店舗がほとんどです。また祝日やゴールデンウィーク、お盆、年末年始など、一般的には休業となる日も営業をしているので、顧客にはありがたい反面、従業員の休日は少なくなってしまいます。休日は、シフト制を採用する店舗が多く、平日になったり、連休がとれなかったりするなど、不規則なのも特徴です。

ワークライフバランスの考え方が浸透しつつあり、休日をとれるかどうかは働く上で重要な視点となっています。仕事をしつつも生活も充実させたい人にとって、飲食店の労働条件は厳しく、就職の選択肢に入らなかったり、離職をしたりすることが増え、人手不足に陥っています。

業界の中でも給与が低い

厚生労働省職業安定所の調査には、「年齢・産業・企業規模別の平均賃金の状況」という項目もあります。年齢に問わず、宿泊業・飲食サービス業の平均賃金は最も低く、大企業か中小企業かの差は少ないので、どの規模に関わらず飲食業界は賃金が低いと言えるでしょう。

業界別の平均年収を見てみても、賃金の格差は歴然です。40歳時点の平均年収において、1位のコンサルティング業界の1,240万円から大きく差が開き、飲食業界は58位で年収は481万円と結果がでていました。店舗運営にかかる設備投資や人件費が多いにも関わらず、利益率があまり高くないのが原因と考えられています。

賃金が低いことだけでなく、休日が少ない・不規則といった状況も絡み、飲食業界の人材確保は難しいのが現状でしょう。

従業員一人あたりの負担が増えている

人手不足をさらに悪化させるのが、従業員一人あたりの負担増です。不定休であり、シフトを組む上で、1日の人員を確保できない場合、穴埋めを他の従業員に頼まなければいけません。人材獲得難や離職などで慢性的な人材不足に陥ると、従業員一人あたりの負担がより多くなるので、長く勤めていた戦力が退職する可能性があります。

戦力低下がさらに従業員に負担をかけ、退職を繰り返すといった悪循環になってしまいます。人手不足の解決はもちろんですが、従業員の負担を減らす取り組みも悪循環を抜け出すために必要です。

POSレジを活用した人手不足対策

人手不足を解決するためには、人材を獲得することが一番の近道です。ただ、飲食店の労働条件は従業員に厳しい場合もあり、簡単に人材を獲得することは難しいでしょう。そこで必要なのは、現在在籍している人材で運営できるようにする業務の効率化です。一つの方法として、POSレジを活用した人手不足対策をご紹介します。

セルフオーダーシステムの導入

飲食店では、ホールスタッフがオーダーをとり、キッチンに伝達し、商品を提供するのが一般的な業務の流れです。人手不足でホールスタッフが不足すると、オーダーや提供が遅れてしまい、サービスの質が下がってしまいます。回転率の低下にもつながるので、売上ダウンも起きてしまうでしょう。

ホールスタッフの不足の解決には、セルフオーダーシステムの導入を検討してみましょう。セルフオーダーシステムとは、テーブルトップオーダーとも言われ、テーブルごとに注文端末を設置し、顧客自身で注文をしてもらうシステムです。注文内容は、キッチンプリンタやキッチンモニターに送信されるので、キッチンとホールスタッフの伝達も効率化されます。

ラーメン店や牛丼チェーンなどには、券売機の活用もおすすめです。券売機で購入した券に合わせて調理し、提供する流れになり、オーダーを省くことができます。少ない人数での営業が可能になるので、従業員の負担軽減や人件費削減などにも効果的です。

レジ環境を整えて効率化する

従来のレジスターを利用している場合、販売情報の蓄積が難しく、店舗管理に時間や手間がかかってしまいます。POSレジを導入すると、店舗管理にかけていた時間の効率化を実現できる可能性が高いです。メニュー分析や在庫管理、顧客管理などがPOSレジででき、手作業で行っていた場合に比べて大幅に業務が楽になります。

また、店舗管理だけでなく、会計業務の効率化も重要です。手動のキャッシュドロアの場合、金銭の受け渡しを手動で行うので、どうしても時間がかかり、ヒューマンエラーも避けられません。そこで、自動釣銭機の導入を検討してみましょう。自動釣銭機であれば、自動でお釣りが出金されるので、会計にかかる時間を減らせます。日本円に慣れていない外国人労働者も利用しやすく、留学生など外国人の労働者獲得も狙えるでしょう。

売上分析で適切なワークスケジュールを作成する

飲食店の売上分析は、メニューの改廃などに使われることが多いですが、ワークスケジュール作成にも活躍します。日別、週別、月別、時間帯別など細かい売上額がわかるので、店舗の来店傾向が見えてくるはずです。

店舗によってランチ時間帯が混雑したり、金曜日に客数が多かったりするなど、それぞれ傾向があるでしょう。1日の従業員数を決めている場合は、落ち着いた時間帯に持て余していませんか?来店傾向を参考にして、夕方の人員を減らす、何曜日は少ない人員でシフトを組むなどの工夫をすれば、従業員の負担軽減や無理のないワークスケジュール作成が可能になります。

POSレジ活用と合わせて取り組みたい人手不足対策

POSレジ活用による人手不足対策と合わせて、飲食店に多い労働条件や運営体制などの問題点の解決にも取り組む必要があります。POSレジ活用と並行して取り組みたい対策を3つご紹介していきます。

労働環境の改善

飲食店の人手不足の原因のひとつである労働環境の見直しは不可欠でしょう。有名な飲食店の多くが、休暇制度や休業制度を設け、従業員が気持ちよく働ける環境をつくっています。年次有給休暇の付与・取得促進や育児休業、介護休業などで、不規則な休日や休日の少なさを解消する取り組みが行われています。

採用の見直し

人手不足の現状は深刻であり変化を続けているので、これまで通り正社員・非正社員を採用しようとしても、満足に採用することは難しいでしょう。飲食店の中には、限定社員や地域社員といった区分を設けて採用を行っている店舗があります。

限定社員や地域社員は、勤務地や労働時間などを指定した社員で、転勤がなく継続的に働けたり、柔軟な勤務時間で勤務したりするなど、求職者に希望に合った労働条件を提示しています。新規求人が増えるだけでなく、既存スタッフの定着にも効果的です。

福利厚生を充実させる

従業員をサポートする福利厚生の充実も重要な取り組みです。退職金制度や昇給制度、賞与、住宅・育児に対する補助など、幅広い福利厚生があると、スタッフの定着を図れます。また福利厚生が充実している企業は、求職者において魅力的なので、新規求人数のアップも期待できるでしょう。

まとめ

飲食業界は、休日の少なさ・不規則さ、賃金の低さなどの要因で、人手不足に悩む飲食店が増えています。人手不足を解決するための方法として、POSレジの活用が効果的です。セルフオーダーシステムや券売機、自動釣銭機、売上分析を活用したワークスケジュール作成などによって、業務を効率化でき、少ない人員でも営業することができます。

合わせて、労働環境や採用、福利厚生などの対策で求人数アップ、定着率アップを図るのも重要です。POSレジ活用と労働条件などの見直しで、人手不足に対応した店舗運営を行いましょう。