一日中お店を開けているのに、なぜかお金が残らない……。飲食店の利益改善策205個の中から、かかる費用0円で年間最大260万円の削減にも繋がる「営業時間の見直し(シフト最適化)」について解説します。今週の日曜の夜、紙とペンだけで実践できる3ステップで、無駄な赤字時間帯を明確にしましょう。
目次
売上は出ているのに、利益だけが減っていく時間帯があります
一日中お店を開けているのに、なぜかお金が残らない。そう感じたことはないでしょうか。売上はそれなりに立っている。お客様も来てくださっている。それでも月末に残るお金が少ない。
飲食店の利益改善策を205個すべて書き出して採点した中に、この悩みに直接効く施策があります。「無駄な営業時間をやめる」。70.5点、A評価、205個の中の35位タイです。
私は利益改善策の一つひとつを、「年間いくら利益が増えるか」「いくらかかるか」「効果が出るまで何か月か」の3つの基準で、100点満点の採点をしました。この施策は、かかるお金が0円。機械も工事も要りません。
申し遅れました。私は飲食店の店長を10年、経営を25年、コンサルタントを15年やってきました。今は飲食店専用のPOSレジを作る会社を経営しながら、60席の焼肉店を自分で経営しています。この記事の試算はすべて、その実在するお店(月商500万円・客単価6,000円・原価率34%・スタッフ10名)の数字で行います。
この記事では、売上を「1時間いくら」で見ると何が見えるのかを数字で示し、紙とペンでできる3ステップ、そして私が平日の深夜を閉められずに損をし続けた話と、「人がいるから」でランチを始めて失敗した話までお伝えします。読み終わる頃には、今週の日曜の夜に何を作ればいいかが、はっきり決まっているはずです。
採点の内訳は、この施策の正直な姿です
まず点数の中身からお見せします。
- インパクト5点:後ほどお見せする試算で、私のお店の規模なら年間250万円クラスの効果
- コスト10点(満点):機械も工事も要らない。かかるお金は0円
- 時間7点:シフトの組み替えと営業時間の告知で、効果が数字に出るまでおよそ2か月
注目してほしいのはコストの10点です。売上を増やす施策の多くは、広告費や設備、新しいメニューの開発にお金がかかります。ところが営業時間の見直しは、表を1枚作って、決めて、書き換えるだけ。だからコストが満点なのです。
一方で、インパクトの5点は正直に受け取ってください。この施策は、お店の売上を大きく伸ばすものではありません。開けているだけで消えていたお金を、消えなくするものです。派手さはないけれど、一度決めれば毎月効き続ける。そういう性格の施策です。
営業時間の施策なのに、正体は「シフトの最適化」です
この施策がある「場所」にも注目してください。
利益改善のロジックツリーで言うと、「利益を増やす→費用を下げる→人件費率を下げる→人件費を下げる→シフトを最適化する」の枝にあります。営業時間の話なのに、集客や売上の枝ではなく、人件費の枝。ここに、この施策の本質があります。
営業時間を変えても、お客様は増えません。変わるのは、誰が何時に出勤しているかです。だから後ほどお話しする通り、営業時間を短くしてもシフト表を直さなければ、効果はゼロ円になります。営業時間の見直しは、シフト表の見直しとセットで初めて利益になるのです。
売上を「1日いくら」ではなく「1時間いくら」で見る
お店の売上を「1日いくら」で見ている方がほとんどだと思います。今日は16万円、昨日は21万円。それで一喜一憂する。ところがこの見方だと、利益を削っている時間帯が、売れている時間帯の中に隠れてしまいます。
見方をひとつだけ変えます。「1時間いくら」です。
お店は開けているかぎり、1時間ごとにお金が出ていきます。出勤しているスタッフの時給と、エアコン・照明・換気の電気代。この2つは、お客様がゼロでも出ていきます。いっぽう売上は、お客様がいらっしゃった時間にしか立ちません。
つまり、その1時間の売上がその1時間の費用を下回っている時間帯は、開ければ開けるほど利益が減っていきます。1日の合計が黒字でも、その中に赤字の1時間が混ざっている。これが「売上は出ているのに、利益だけが減っていく」の正体です。
開けているだけで、年間約260万円が消える試算
私のお店の数字で出します。焼肉店60席、客単価6,000円、月商500万円、営業日は月30日です。
まず、昼から夕方。11時半から17時までの5時間半で、売上は月に60万円。月商の12%です。
- 原価:34%で約20万円
- 人件費:2名×5時間半×時給1,300円で1日約1万4千円、30日で約43万円
- 電気・ガス・水道代:この時間帯で月6万円
合計およそ69万円。売上60万円に対して費用が約69万円ですから、この5時間半は月に9万3,000円のマイナスです。
次に、22時半から24時まで。ラストオーダーのあとの1時間半です。売上は月15万円。
- 原価:5万1,000円
- 人件費:深夜の時給1,500円でスタッフ3名を1時間半、1日約6,800円、30日で約20万円
- 電気代など:2万円
費用は約27万円。売上15万円に対して、月に約12万円のマイナスになります。
2つ合わせて、月に約22万円。年間で約260万円が、開けているだけで消えていきます。私のお店の規模で年250万円クラス。これがインパクト5点の根拠です。
この流出の怖いところは、日報を見ても気づけないことです。1日の売上は昼も深夜も含めて立っていますから、「今日も売れた」で終わります。赤字の時間帯は、表を1時間ごとに分けたときに初めて姿を現します。
私は、平日の深夜を閉められませんでした
ここまで読むと、「では赤字の時間帯を閉めればいい」と思われるはずです。実は、そこで終わりません。私の話をさせてください。
居酒屋で、深夜営業をしていました。金曜と土曜の深夜は、朝の4時まで開けていました。ここはお客様が入るので、一定の利益になります。
ところが、日曜から木曜の夜は違いました。深夜を開けていても、まったく利益になりませんでした。
では平日だけ閉めればいい。そう思いますよね。うまくいきませんでした。週末だけ営業時間を変えるのが、どうしてもお客様に浸透しないんです。
結局、平日の深夜を閉められず、その分の利益を損していました。
やるんだったらやる。やらないんだったら全部やらない。そのほうがいい、と今は考えています。
中途半端が、一番損をします
曜日で営業時間が変わるお店は、お客様の頭の中で「よく分からないお店」になります。「今日は何時まで開いていたかな」と迷わせた時点で、お客様は別のお店を選びます。赤字だからと平日だけ閉めると、黒字だったはずの金土の売上まで一緒に落ちることがあります。
そこで、答えは3つに1つです。
- ①全部やめる:その時間帯を丸ごと閉める。毎日同じ時間に閉まる、いちばん伝わりやすい形
- ②全部やる:曜日で変えない。赤字の平日は、黒字の金土を守る費用として引き受ける
- ③金土だけを、別の看板として立てる:営業時間を伸ばすのではなく、「金土だけの企画」として名前を付けて告知する
どれを選んでも構いません。いけないのは、3つのどれでもない状態、つまり決めきれずに曜日ごとにばらばらにしてしまうことです。
深夜を曜日で分けると、平日だけが赤字でした
③を数字で見ます。私のお店の深夜1時間半を、曜日で分けます。
- 金土(月8日):売上11万円、費用は約9万7千円。月に約1万3千円の黒字
- 日曜〜木曜(月22日):売上4万円、費用は約18万円。月に約14万円のマイナス
つまり、深夜がまるごと赤字なのではありません。平日だけが赤字です。
平日の深夜を閉めれば年間およそ160万円、昼をやめれば年間およそ110万円。合わせておよそ280万円が残ります。深夜をまるごと閉めるより、およそ16万円多い計算です。この16万円は、金土の深夜が生んでいた黒字そのものです。
もし表を1枚のままにしていたら、「深夜は月約12万円の赤字だから全部閉める」と判断して、この黒字まで捨てていたことになります。
③を選ぶなら、曜日ではなく企画の名前を覚えてもらう
大事なのは伝え方です。
「日曜から木曜は24時まで、金土は朝4時まで」と書くと、覚えられません。私の居酒屋で浸透しなかったのは、まさにこの形でした。
そうではなく、「毎日24時まで。そのうえで金土だけ、朝4時までの深夜の部があります」と書きます。基本の営業時間は毎日同じ。そこに、金土だけの企画が乗っている。お客様に覚えてもらうのは曜日ではなく、企画の名前です。
入口にも、営業時間の札とは別に、企画の名前を紙に書いて貼ってください。営業時間の札を曜日ごとに書き分けるのではなく、「深夜の部」という1枚を足す。これだけで、お客様の頭の中の整理がまったく変わります。
ステップ1:今週の日曜の夜、店長が「1時間ごとの損益表」を1枚作る
手順に落とします。使うのは紙とペン、それとレジの日報だけ。3ステップです。
用意するのは、直近3か月の日報か、レジのレシート控えです。A4の紙に、縦に営業時間を1時間ずつ書きます。横は5列。「売上」「出勤人数」「時給の合計」「電気代など」「差し引き」。
電気代などは、月の請求額を営業日数と営業時間で割った金額で構いません。細かく正確に分けようとすると、そこで手が止まります。大事なのは、時間帯どうしを比べられることです。
時間帯別の売上が出るレジなら、画面を書き写すだけ。出ないお店は、伝票の会計時刻を1時間ごとに束ねて電卓で足します。60席の3か月分で、およそ2時間の作業です。
1時間ごとの損益表の型

表の型を置いておきます。
- 縦(行):営業時間を1時間ずつ。開店から閉店まで、途中を飛ばさない
- 横(列):売上/出勤人数/時給の合計/電気代など/差し引き
- 差し引き:売上から、原価と時給の合計と電気代などを引いた金額
- 書く数字:直近3か月の平均
「出勤人数」の列を「時給の合計」と別に置くのがポイントです。人数が見えると、「この時間は2名で足りるのに3名いる」という、シフトの話が表の上で始められます。
ステップ2:同じ表を「平日」と「金土」の2枚に分けて、必要売上ラインに当てる
1枚のままだと、金土の売上が平日の赤字を隠します。さきほどの深夜の例がまさにそうでした。だから同じ表を、平日用と金土用の2枚に分けて作ります。
基準はひとつ。「必要売上ライン」です。
必要売上ライン =(その時間の時給の合計 + 1時間あたりの電気代など)÷ 0.66
0.66は、原価34%を引いた残りです。
私のお店の昼で計算します。2名で時給の合計が2,600円、1時間あたりの電気代などが約360円、合わせて約3,000円。0.66で割って、およそ4,500円。これが昼の必要売上ラインです。1時間の売上がこれを下回っていれば、その1時間は開けるほど損をしています。
2枚の表それぞれで、必要売上ラインを下回った時間に赤ペンで丸をつけてください。
3つに1つの判定表

赤い丸がついたら、平日と金土の組み合わせで答えを決めます。
- 平日も赤、金土も赤:①全部やめる
- 平日は赤、金土も黒:③金土だけを別の看板として立てる
- 平日も黒、金土も黒:②全部やる
迷ったら、この3行に戻ってください。判断に「なんとなく」が入る余地をなくすための表です。
ステップ3:決めたら3か月は変えない。そのうえで5か所に同じことを書く
決めた翌日に、5か所を同じ日に書き換えます。
- 入口の営業時間の札
- Googleマップの営業時間
- 掲載しているグルメサイト
- 電話の留守番メッセージ
- シフト表の出勤時刻
この5つを1枚のメモに書いて、変えた日にチェックを入れてください。1か所でも古いままだと、お客様が来て閉まっている、ということが起きます。③を選んだお店は、企画の名前を紙に書いて入口に貼ってください。
そして、決めたら3か月は変えません。変えたばかりの営業時間を、数週間でまた変えると、それこそ「よく分からないお店」になります。中途半端をやめるための決断を、中途半端に戻さないことです。
営業時間を決める15分のミーティング台本
表ができたら、スタッフに伝える場を作ります。黙ってシフト表だけ変えると、「時間を削られた」という受け止め方になりがちです。そのまま使える台本にしておきます。
最初に、店長が表を見せてこう切り出します。「1時間ごとに、売上と費用を並べてみました。赤い丸がついているのが、開けるほど損をしている時間です」。ここでは、誰かの働き方の話はしません。数字の話だけをします。
次に、平日と金土の2枚を並べて、3つに1つのどれにしたかを伝えます。「平日の深夜は閉めます。金土は深夜の部として続けます」のように、決まったことを先に言います。相談ではなく、決めたことの共有にするのがコツです。ここが曖昧だと、中途半端に戻ります。
そのうえで、浮いた人時の行き先を伝えます。「減らすのではなく、動かします。金曜と土曜の18時から21時に入ってもらいます」。スタッフが一番気にするのは、自分の出勤がどうなるかです。行き先を先に言えば、不安は小さくなります。
最後に、5か所の書き換えの担当と日にちを決めて終わります。変える日は、営業時間もシフト表も同じ日です。
「人がいるから」で、ランチを始めた話
もうひとつ、私の失敗の話をさせてください。今度は、営業時間を増やしたときの話です。
夜の居酒屋のお店で、人が増えすぎたことがありました。それで「人がいるから」という理由で、昼のランチ営業を始めました。
ところが居酒屋なので、オペレーションをランチ用に作っていなかった。結局、人をうまく使いきれずに、赤字になりました。
しかも食器まで買って、一度始めてしまった。だから、やめるにやめられませんでした。
その後、次の新規出店のタイミングで、逆に人が足りなくなりました。結局、すべてが無駄になってしまいました。
罠1:「人がいるから」で時間帯を増やす
手順が分かっても、うまくいかないお店があります。理由ははっきりしていて、2つの罠があります。
ひとつ目が、「人がいるから」で時間帯を増やすことです。判断の基準が人の余りになっている時点で、その時間帯の損益は誰も計算していません。
いまの私のお店でランチを始めるとしたら、と試算してみます。2名を4時間、時給1,300円で1日約1万円、30日で約31万円。売上が月40万円なら、原価約14万円と電気代など4万円を足して、費用は約49万円。月に8万8,000円、年間でおよそ110万円のマイナスです。ここへ食器や器具の30万円が乗るので、初年度はおよそ140万円のマイナスになります。
しかも食器を買った瞬間、やめる判断がしにくくなります。私がそうでした。
増やすときも減らすときも、基準は「人がいるかどうか」ではなく、「その時間帯が黒字かどうか」です。始める前に、この記事の表を先に作ってください。
罠2:営業時間を短くしたのに、人件費が1円も減っていない
ふたつ目の罠が、営業時間だけを変えて、シフト表を直さないことです。
シフト表の出勤時刻をそのままにすると、スタッフは同じ時間に出勤して、空いた時間を仕込みや掃除に使います。作業は増えますが、お金は減りません。
私のお店なら、昼の2名×5時間半×30日で月330人時、平日深夜の3名×1時間半×22日で月99人時。合わせて月429人時が浮く計算ですが、シフト表を直さなければ削減額はゼロ円です。
営業時間を変える日と、シフト表を変える日は必ず同じ日に。そして浮いた人時の行き先を先に決めます。私のお店なら、金曜と土曜の18時から21時に振り替えます。減らすのではなく、動かす。これが、スタッフの理解を得ながら利益を残す一番のコツです。
業態別の読み替え
お店の業態によって、見方を補正してください。
- ▼ 居酒屋
- いま話した深夜の話が、そのまま当てはまります。深夜は必ず平日と金土の2枚に分けてください。金土だけ黒なら、③の「深夜の部」を検討してください。
- ▼ オフィス街の居酒屋
- 昼の定食が、夜の認知につながっていることがあります。昼の表だけを見て赤だからと閉めると、夜のお客様まで減ることがあります。「昼に来られた方が夜にも来られた件数」を1か月数えてから判断してください。
- ▼ カフェ
- 居酒屋とは逆で、朝が利益のもとです。客単価が低いぶん必要売上ラインも低いので、1時間あたりではなく「1席あたり1時間でいくら」で見てください。60席の焼肉店と20席のカフェでは、赤字と判定するラインがまったく違います。
- ▼ 焼肉店
- 私と同じ焼肉店なら、この記事の試算がそのまま目安になります。昼から夕方の5時間半と、ラストオーダー後の1時間半。まずこの2つの時間帯から表を作ってください。
営業時間の見直しが変えるのは、利益だけではありません
この施策の効果は、赤字の時間帯が消えることにとどまりません。少し引いた視点で3つ挙げます。
ひとつ、営業時間が「勘」ではなく「数字」の話になります。表を作った日から、「なんとなく開けている」が、「この時間は必要売上ラインを下回っている」という話に変わります。勘は人によって違いますが、数字は全員で同じものを見られます。
ふたつ、スタッフの時間が、売れる時間に集まります。浮いた人時を金土の18時から21時に動かせば、お客様が一番来てくださる時間に、人手が厚くなります。
みっつ、お客様にとって分かりやすいお店になります。①でも②でも③でも、決めきったお店は、お客様が迷いません。「何時まで開いていたかな」と迷わせないことは、それ自体がお客様への約束です。
2か月ロードマップ:時間7点の道のり
採点で時間7点=「数字に出るまでおよそ2か月」とした道のりを、時系列にしておきます。
- 今週の日曜の夜:直近3か月の日報から、1時間ごとの損益表を1枚作る
- その週のうちに:同じ表を平日と金土の2枚に分け、必要売上ラインに当てて赤ペンで丸をつける。3つに1つを決める
- 決めた翌日:入口の札・Googleマップ・グルメサイト・留守番メッセージ・シフト表の5か所を同じ日に書き換える。浮いた人時の行き先も同じ日に決める
- 1か月目:新しい営業時間とシフトで営業する。③を選んだお店は、企画の名前を入口に貼って告知を続ける
- 2か月目:シフトの組み替えと告知が行き渡り、効果が数字に出始める
- 3か月後:決めた営業時間を変えない期間が終わったら、同じ表を作り直して答え合わせをする
途中で「閉めたのに、売上が落ちただけに見える」と感じる期間があります。それで合っています。この施策の効果は売上ではなく、費用の側に出るからです。だからこそ、1日の売上ではなく、1時間ごとの表で答え合わせをしてください。
表の作り直しは、手作業なら毎月2時間
ここまで読んで、「うちもやってみよう」と思ってくださった方に、先にお伝えしておきたいことがあります。
最初の1回は、手で作ってください。伝票を1時間ごとに束ねていると、「この時間はこのお客様が多い」「この曜日だけ遅い時間が伸びる」という、お店の癖がよく分かります。
ただ、その先があります。決めた営業時間が正しかったかを確かめるには、平日と金土に分けた表を作り直し続ける必要があります。この作業は、日報と伝票からだと毎月2時間かかります。売上と出勤時間が自動でひとつの表に並ぶ環境なら、1分です。最初の1枚は今週、手で。作り直しは、数字の出し方を整えてから。この順番で、2か月の道のりを走り切ってください。
よくある質問
Q. 電気代を時間帯ごとに正確に分けられません。
A. 正確でなくて構いません。月の請求額を、営業日数と営業時間で割った金額を使ってください。この表の目的は、時間帯どうしを比べることです。細かく分けようとして表が完成しないより、ざっくりでも今週作るほうが、ずっと役に立ちます。
Q. レジで時間帯別の売上が出ません。
A. 伝票の会計時刻を1時間ごとに束ねて、電卓で足してください。60席の3か月分で、およそ2時間の作業です。一度やると、お店のどの時間にお客様が集中しているかが、体で分かるようになります。
Q. 原価率が34%ではありません。
A. 0.66は、原価34%を引いた残りです。ご自分のお店の原価率を100%から引いた割合で割ってください。式の形は同じです。
Q. 平日だけ閉めてはいけないのですか。
A. 閉めること自体が悪いのではありません。曜日で営業時間を書き分けるのが伝わりにくいのです。私の居酒屋では、週末だけ営業時間を変えるのがどうしてもお客様に浸透しませんでした。平日を閉めて金土を残すなら、③のように「毎日同じ閉店時刻+金土だけの企画」という形で伝えてください。
Q. 赤字の時間帯を閉めたら、常連のお客様が離れませんか。
A. だからこそ、平日と金土を分けて表を作ります。お客様が来てくださっている時間帯は、表の上で黒になります。黒の時間帯は守る。赤の時間帯だけを、3つに1つで判断する。お客様が離れるのは、閉めたからではなく、分かりにくくしたときです。
Q. 昼を閉めると、お店を知ってもらう機会が減りませんか。
A. オフィス街のように、昼の定食が夜の認知につながっているお店はあります。その場合は閉める前に、「昼に来られた方が夜にも来られた件数」を1か月数えてください。数えた結果で判断すれば、勘で閉めて後悔することはなくなります。
Q. 営業時間を短くすると、スタッフの収入が減ってしまいます。
A. 減らすのではなく、動かしてください。浮いた人時は、お客様が多い時間帯に振り替えます。私のお店なら、金曜と土曜の18時から21時です。行き先を先に決めてスタッフに伝えれば、「時間を削られた」ではなく「売れる時間に回った」という話になります。
Q. なぜ3か月は変えないのですか。
A. 変えたばかりの営業時間を短い期間でまた変えると、お客様にとって「よく分からないお店」になるからです。中途半端が一番損をします。3か月は決めた形を守り、そのあとで同じ表を作り直して判断してください。
Q. 平日も金土も黒字でした。何もしなくていいですか。
A. それが②の「全部やる」です。自信を持って、曜日で変えずに続けてください。ただし、黒字の時間帯でも出勤人数の列は見てください。人数が多すぎる時間帯があれば、シフトの組み替えだけで利益が残ります。
Q. 何から始めればいいですか。
A. 日報を1か月分だけ出して、一番売れていない1時間を見つけてください。その1時間が分かった日から、営業時間は勘ではなく数字の話になります。
まとめ:答えは3つに1つ。中途半端が、一番損をします
要点を3つにまとめます。
- 売上は1日ではなく、1時間で見る。月商500万円のお店でも、開けているだけで年間約260万円が消える時間帯が隠れている
- 平日と金土は、必ず別の紙で見る。1枚のままだと、金土の売上が平日の赤字を隠す
- 答えは3つに1つ。①全部やめる、②全部やる、③金土だけを別の看板として立てる。決めたら、営業時間とシフト表を同じ日に変える
明日の1歩はこれだけです。日報を1か月分だけ出して、一番売れていない1時間を見つけてください。
最後にひとつだけ。私が損をしていたのは、赤字の時間帯があったからではありません。決めきれずに、中途半端にしていたからです。やるんだったらやる。やらないんだったら全部やらない。
この内容は、YouTube「飲食店経営ワンゼミ」教科書シリーズ#11で動画でも解説しています。1時間ごとの損益表と計算欄をそのまま使える「営業時間の見直しシート」(1時間ごとの損益表の平日用・金土用+必要売上ラインの計算欄+3つに1つの判定表+書き換える5か所のチェックリスト+浮いた人時の振替先の記入欄)を公式LINEで無料配布していますので、今週の日曜の夜のお供にお使いください。
私も今週、自分のお店の表を平日と金土に分けて作り直します。一緒にやりましょう。
▼ 動画で解説を見たい方はこちら
YouTube「飲食店経営ワンゼミ」公式チャンネル
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