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月末のため息は、1円も取り返せません

月末に締めて、人件費率を見て、「今月も超えたか…」とため息をつく。

飲食店のオーナーなら、一度は経験のある場面だと思います。そして、ここに残酷な事実があります。月末に気づいた瞬間には、その月のお金は1円も取り返せません。人件費は、シフトが終わった時点で支払いが確定しているお金です。月末の数字は、反省の材料にはなっても、修正の材料にはならないのです。

私は飲食店の利益改善策を205個すべて書き出し、「年間いくら利益が増えるか」「いくらかかるか」「効果が出るまで何か月か」の3つの基準で、1つずつ100点満点の採点をしました。「人件費率を1週間単位で管理する」は80.5点で16位タイ。S評価です。そして「費用を下げる」側の施策の中では、堂々のトップでした。

私は飲食店の店長を10年、経営を25年、コンサルタントを15年やってきました。今は飲食店専用のPOSレジを作る会社を経営しながら、60席の焼肉店を自分で経営しています。この記事の試算はすべて、その実在するお店(月商500万円・人件費率30%)の数字で行います。

先にお伝えしておくと、私は「月単位」だけでなく「日単位」の管理でも痛い目を見ています。月でも日でもなく、なぜ「週」なのか。自分の失敗談込みで、やり方まで全部お話しします。


採点の内訳:かかるお金は0円、道具は電卓とシフト表だけ

飲食店の人件費管理はかかるお金0円!道具は電卓とシフト表だけ

まず点数の中身から。

  • インパクト7点:人件費率のブレを抑える効果は、年間350万円クラスと採点しました
  • コスト10点(満点):かかるお金は0円。使うのは電卓とシフト表だけです
  • 時間7点:週の管理サイクルが回り出すまで、およそ2か月

コスト満点、というのがこの施策の際立った特徴です。205施策の中には、設備や改装のように大きなお金がかかる施策もありますが、週管理は今日から始めるのに1円もかかりません。知識も経験もいりません。道具は電卓とシフト表だけです。それでいてインパクトは年間350万円クラス。だから16位タイに入りました。

なお、この記事では関連する2つの施策も一緒に扱います。「30分単位でシフトを作る」(70.5点・A評価)と「人時売上高を分析する」(64点・B評価)です。3つで1セットの技術だからです。週管理が「いつ直すか」を決め、30分単位シフトが「どう直すか」を決め、人時売上高が「削りすぎていないか」を確かめる。この3つがそろって、人件費管理は完成します。


なぜ「費用を下げる」側の施策でトップなのか

少しだけ、この施策の立ち位置の話をさせてください。

費用を下げる施策には、共通の危うさがあります。やり方を間違えると、費用と一緒にお店の価値まで削ってしまうことです。食材の質を落とせば料理が変わり、人を減らしすぎれば接客が変わる。費用の削減は、売上を作っている力に手を付けた瞬間、節約ではなく自傷になります。

週管理が費用側のトップに立ったのは、この危うさへの答えを仕組みの中に持っているからです。後で詳しくお話ししますが、週管理の調整は「30分単位で、暇な時間帯から」が原則で、売上を作っているピークの人員には手を付けません。さらに人時売上高という物差しで、削りすぎを常に点検します。つまりこれは、人件費を「削る」施策というより、人件費が「漏れる」のを防ぐ施策です。

売上を増やす施策は、お客様という相手があって初めて結果が出ます。でも費用の管理は、相手のいない、自分のお店の中だけで完結する仕事です。だからこそ、やれば確実に効きます。0円で始められて、確実に効いて、お店の価値を削らない。費用側のトップには、それだけの理由があります。


なぜ「月単位」では手遅れなのか

なぜ飲食店の人件費管理は「月単位」では手遅れなのか?

数字でお見せします。

私のお店は月商500万円、人件費率の目標は30%です。金額にすると、月の人件費予算は150万円。

月末に締めて、実績が33%だったとします。超過は3ポイント、金額にして15万円です。この15万円は、気づいた瞬間にはもう支払いが確定しているお金です。シフトはすでに消化され、スタッフはすでに働いてくれた後だからです。

「来月は気をつけよう」と反省はできます。でも、その反省が来月も同じ結果に終わることは、多くのオーナーが体験済みだと思います。来月もまた「月末まで数字が見えない」構造は、何も変わっていないからです。同じことが1年続けば、超過は180万円。月次管理とは、言ってしまえば「手遅れを毎月確認する作業」なのです。


「なら毎日見よう」で、私は失敗しました

「月末では遅い。なら毎日見ればいい」。そう考えますよね。私もそう考えて、日単位で人件費率を管理した時期があります。

これで痛い目を見ました。

飲食店の売上は、曜日によってまったく違います。いわゆる曜日指数です。同じお店でも、曜日が違えば売上の水準はまるで別物になります。

日単位で人件費率を出すと、この曜日のデコボコがそのまま数字に出ます。私は日単位の数字に反応して、忙しい日に人を削ってしまったんです。

結果はこうです。お店は回らない。スタッフは疲弊する。お客様をお待たせする。

数字を守ったつもりが、お店を壊しかけました。忙しい日の人員は、売上を作っている人員です。そこを削るというのは、利益の源泉を自分の手で細らせる行為でした。私はこれを、頭ではなく体で学びました。


「週」が正解である2つの理由

月は遅すぎる。日は細かすぎて振り回される。だから「週」なんです。理由は2つあります。

理由1:曜日が一巡して、数字が「本当の調子」を表す

週には月曜から日曜まで、暇な日も忙しい日も一巡入っています。曜日のデコボコが均されるから、週の人件費率は「たまたま」ではなく「お店の実力」を表します。日単位の数字に振り回された私にとって、これが一番の発見でした。

理由2:月の中に、まだ修正のチャンスが残っている

こちらが週管理の核心です。第1週が終わった時点で33%だったとします。第1週の売上をおよそ125万円とすると、超過額は約3.75万円。月末に気づけば、これは取り返せないお金の一部になります。でも第1週の終わりに気づけば、残り3週間で割って、週1.25万円ずつ調整すればいい。

週1.25万円。この金額の小ささに注目してください。これは、シフトを30分単位で見直せば届く範囲です。誰かの勤務を1日まるごと削るような、痛みの大きな調整は要りません。早く気づくほど、修正は小さくて済む。週管理とは、修正を「間に合う大きさ」のうちに見つける仕組みなのです。

私自身、週管理を始めてから、無理をせずに全体感を把握して、数字を守れるようになりました。


週で守る3ステップ

やり方です。必要なのは電卓とシフト表だけ。3ステップです。

ステップ1:週の予算を作る(月初に30分)

今月の売上予測を、週ごとに割ります。このとき、単純に4等分してはいけません。曜日のデコボコを踏まえて割ります。週末が何回入るか、連休がどこに来るかで、週の売上は変わるからです。

難しく考える必要はありません。過去2〜3か月の週別売上を見れば、だいたいの配分は分かります。

配分ができたら、各週の売上予測×目標人件費率30%=その週の人件費予算です。

私のお店の例です。月商予測500万円で、第1週の売上予測が120万円なら、第1週の人件費予算は36万円。これを週の数だけ作れば、週予算の完成です。月初の30分でできます。

細かい点をひとつ。月の頭や末尾が週の途中で切れる場合は、厳密に悩まず「その月に入る日数分」で予算を作れば十分です。週管理の生命線は、毎週同じやり方で続けることです。境目の数日の扱いに凝るより、月曜の答え合わせを止めないことを優先してください。

ステップ2:毎週月曜の朝、先週の答え合わせをする(10分)

先週の売上と、先週の人件費(シフト実績×時給)を並べて、率を出します。

30%以内なら、今週はそのままで大丈夫です。超えていたら、超過額を残りの週で割って、今週のシフトから調整します。第1週で3.75万円超過なら、残り3週で週1.25万円ずつ、という計算でした。

大事なのは「毎週月曜の朝」と時間を固定することです。「時間があるときに見よう」にすると、繁忙期に必ず消えます。月曜の朝10分。シフトに予定として入れてください。

ステップ3:削るときは「30分単位で、暇な時間から」

ここが、私の失敗から得た一番の教訓です。

調整は、1人分ずつごっそりではなく、30分単位でやってください。「30分単位でシフトを作る」が70.5点でA評価に入っているのは、この細かさこそが週管理の調整の道具になるからです。1時間単位の粗いシフトでは、週1.25万円のような小さな調整ができません。

そして削るのは、暇な時間帯からです。ピークの人員には絶対に手を付けない。忙しい日・忙しい時間の人員は、売上を作っている人員です。そこを削れば、人件費と引き換えに、売上とお客様の満足という、もっと大きなものを失います。私が身をもって体験済みです。


月曜朝10分の進め方:そのまま使える台本

ステップ2の10分は、進め方を型にしておくと続きます。私のおすすめの割り方です。

最初の3分:先週の売上と人件費(シフト実績×時給)を並べて、率を出します。30%以内なら、ここで終了です。

次の4分:超えていたら、超過額÷残りの週数で「今週の調整額」を出します。そのままシフト表を開いて、暇な時間帯のどの30分を薄くするかまで決めてしまいます。「あとで考える」にすると、調整は実行されません。

最後の3分:人時売上高(後述します)を出して、先週の効率を確認します。スタッフに伝えることがあれば、伝え方をメモしておきます。

最初のうちは10分で終わらなくても大丈夫です。ただし「月曜の朝」という時間だけは動かさないでください。曜日が一巡した直後に見るからこそ、週の数字は意味を持ちます。


紙1枚で始める:週管理シートに書く項目

3ステップを紙1枚に落とすと、週管理シートになります。用意する欄は3つだけです。

ひとつ目は、週別予算の計算欄。週ごとに「売上予測」「×30%」「人件費予算」を書く欄を、その月の週の数だけ並べます。月初の30分は、この欄を埋める時間です。

ふたつ目は、毎週月曜の答え合わせ欄。「先週の売上」「先週の人件費(シフト実績×時給)」「率」「超過額」「残り週で割った今週の調整額」。月曜の10分は、この1行を埋める時間です。

みっつ目は、調整のルール欄。「削るのは30分単位・暇な時間帯から・ピークには手を付けない」。これはシートの一番目立つところに書いてください。月曜の朝、超過を見て焦っているときの自分への手紙だと思って書いておくのです。ルールが目の前に書いてあれば、私のように忙しい日へ手を伸ばす失敗は防げます。

この3つの欄をまとめた書き込み式のシートは、記事の最後でご案内する公式LINEで配布しています。ご自身でノートに線を引いて作っていただいても、まったく問題ありません。


もうひとつの物差し「人時売上高」:削りすぎを防ぐ数字

週管理を続けていくと、今度は別の心配が出てきます。「削りすぎて、お店の力を落としていないか」です。ここで使うのが、3つ目の施策「人時売上高の分析」(64点)です。

人時売上高=売上÷総労働時間。スタッフが1時間働くごとに、いくらの売上を作っているかという数字です。

私のお店は月商500万円を、およそ1,250時間の総労働時間で作っています。人時売上高は4,000円です。

使い方はこうです。人件費率が下がったとき、人時売上高も上がっていれば、それは「効率が上がって」率が下がっている健全な状態。逆に、率は守れているのにお店の空気が荒れてきたら、削りすぎのサインです。率だけを見ていると、この区別がつきません。人件費率がアクセルとブレーキなら、人時売上高は健康診断の数字。両方あって、初めて安心して走れます。


人件費管理の2つの罠

やり方が分かっても、はまりやすい罠が2つあります。どちらも、私が体験したか、経営相談で繰り返し見てきたものです。

罠1:忙しい日から削る

私が行った失敗そのものです。

数字だけ見ると、人件費が一番かかっているのは忙しい日です。だから、削る余地が一番大きく見えるのも忙しい日。ここに手を出したくなります。

でも、忙しい日の人員は売上を作っている人員です。削るなら暇な時間帯の30分から。この順番だけは間違えないでください。

順番を守る工夫として、シフト表の暇な時間帯にあらかじめ印をつけておく方法をおすすめします。調整が必要になったとき、迷わず「印のところから」削れるからです。調整先を先に決めておけば、月曜の朝に忙しい日へ手を伸ばす誘惑も減ります。

罠2:率だけ見て、スタッフに数字を隠す

人件費の話は、スタッフには「自分たちが削られる話」に聞こえます。だから、オーナーは数字を隠したくなる。

でも、隠すと逆効果です。理由の見えないシフト調整が続くと、スタッフには不信感だけが積もります。「また削られた」「うちのお店、大丈夫かな」。この空気は、接客にも定着率にも響きます。

私のおすすめは、人件費率ではなく、人時売上高の方をスタッフと共有することです。人件費率は「削る目標」にしか聞こえませんが、人時売上高は「みんなで効率を上げる目標」として語れます。同じ現実を扱っていても、選ぶ数字で、チームの受け取り方は変わります。


週管理が変えるのは、数字だけではありません

少し引いた視点で、この施策の副次的な効果を3つ挙げます。

ひとつ、シフト調整の納得感が変わります。週予算という基準があると、調整の理由を「今週は予算をこれだけ超えているから、この時間帯を薄くする」と説明できます。基準のない調整は、スタッフから見ればオーナーの気分です。基準のある調整は、ルールです。同じ30分の調整でも、受け取られ方がまるで違います。

ふたつ、オーナー自身の心が守られます。月末にまとめて悪い数字を見るのは、こたえます。1か月分の手遅れを一度に突きつけられるからです。週管理なら、向き合う相手は毎週の小さなズレだけ。私は週管理を始めてから、月末のため息と一緒に、数字への苦手意識も消えました。数字がこわいのは、数字が大きくなってから見るからです。

みっつ、他の施策の土台になります。売上予測を週ごとに立てる習慣は、発注や仕込みの精度にもそのまま効きます。曜日のデコボコを踏まえて数字を配分する感覚は、人件費に限らず、飲食店経営のあらゆる場面で使う基礎体力だからです。週管理は、その基礎体力を毎週10分で鍛えてくれる施策でもあります。


業態別・立地別の読み替え

ランチとディナーで山が2つある業態の方へ

定食業態やカフェ営業のある居酒屋のように、1日の中に山が2つある業態は、週管理に加えて「時間帯別」の視点を足すと効きます。一番の調整余地は、山と山の間のアイドルタイムです。この時間帯の30分をどう薄くするかが、週1.25万円の調整の主な置き場所になります。

ほぼ土日で売上が決まる立地の方へ

観光地や郊外ロードサイドのように、売上が週末に集中するお店は、週予算の配分そのものを平日と週末で分けて作ってください。平日と週末の差が大きすぎるお店では、週単位でひとまとめにしても、数字がまた「たまたま」に振り回されるからです。同じ週管理でも、自分のお店の売上の形に合わせて物差しを調整する。これはどの施策にも共通するコツです。


2か月ロードマップ:週管理が習慣になるまで

採点で時間7点=「サイクルが回り出すまでおよそ2か月」とした道のりを、目安として時系列にしておきます。

  • 1〜2週目:過去2〜3か月の週別売上を出して、自分のお店の曜日のデコボコと週配分の癖をつかむ。最初の週予算を作る
  • 3〜6週目:毎週月曜の答え合わせを、固定の予定として回す。超過が出たら、30分単位の調整を実際にやってみる
  • 7〜8週目:人時売上高を隣に並べて、「削って下げた」のか「効率で下がった」のかを区別する。スタッフとの数字の共有もこの頃から

最初の月は、予測が外れたり、調整が遅れたりします。それで構いません。2か月目に入る頃には、月曜の朝の10分が歯磨きのような習慣になって、数字が「見に行くもの」から「勝手に目に入るもの」に変わります。そこまで来れば、この施策はもうあなたのお店のものです。

途中でつまずくとしたら、場所はだいたい決まっています。3〜6週目の「調整を実行する」ところです。率の超過に気づいても、シフトを直すのは気が重い。スタッフの顔が浮かぶからです。だからこそ、30分単位という小ささと、「暇な時間帯から」という順番が効きます。誰かの1日を奪う調整ではなく、暇な30分を薄くする調整なら、実行のハードルは一気に下がります。気づく仕組みと、実行しやすい調整の単位。週管理はこの2つで1セットです。


正直な話:ハードルは計算ではなく「毎週の集計」です

ここまで読んで、「計算は簡単そうだ」と感じたと思います。その通りで、計算は掛け算と割り算だけです。

この施策の本当のハードルは、毎週月曜に「先週の売上」と「先週のシフト実績×時給」をそろえる作業にあります。レジの記録と紙のシフト表とタイムカードから手で集めると、毎週1時間はかかります。月曜の朝の1時間は、飲食店にとって決して軽くありません。発注も仕込みもある時間帯です。

売上とシフトの数字が自動で並ぶ環境なら、月曜朝の答え合わせは1分で終わります。週管理が続くかどうかは、計算の難しさではなく、この集計の手間で決まると考えてください。

手集計で始める場合は、完璧を目指さないことです。「売上は日報の合計、労働時間はシフト予定ベース」のような割り切りから始めて、答え合わせの習慣を先に作る。数字の精度は、習慣が続いてから上げれば間に合います。


よくある質問(FAQ)

Q. 目標人件費率は、何%にすればいいですか?

A. この記事は私のお店の目標30%で試算しましたが、適正な水準は業態や社員比率で変わります。まずは過去2〜3か月の実績率を出して、その水準を「ブレなく守る」ことから始めてください。週管理の最初の目的は、率を下げることではなく、率のブレをなくすことです。ブレが消えてから、目標を少しずつ動かしていくのが順番です。

Q. 売上予測が外れたら、週予算は意味がなくなりませんか?

A. 外れて大丈夫です。週管理の目的は予測を当てることではなく、ズレに早く気づいて直すことです。毎週月曜の答え合わせで「予測と実績のズレ」も一緒に見ていくと、自分のお店の曜日のデコボコが体に入って、配分の精度は自然に上がっていきます。採点の時間7点=およそ2か月は、この慣れに必要な期間でもあります。

Q. 週の途中で急な宴会や団体が入ったときは、どうしますか?

A. 週予算は動かさず、次の月曜の答え合わせで確認すれば十分です。売上が増える方向のズレは、人件費率を下げる方向に働くので、慌てる必要はありません。人を急きょ足したときは、その週の人件費も増えていますから、月曜に率で確認してください。金額ではなく率で見る習慣があれば、日々の増減に振り回されません。

Q. 30分単位のシフトにすると、スタッフに嫌がられませんか?

A. 伝え方の順番が大事です。「削るために細かくする」と伝えれば、いい顔はされません。私は「忙しい時間に人をきちんと厚くするため」と伝えることをおすすめします。実際、30分単位の目的は削ることだけではありません。暇な時間を30分薄くできるから、忙しい時間の人員に手を付けずに済む。ピークを守るための細かさでもあるのです。

Q. 人件費には何を含めればいいですか。社員の給料や賄いはどうしますか?

A. 厳密さより、毎週同じ基準で出すことを優先してください。週ごとの比較ができれば、週管理は機能します。まずはシフト実績×時給で出せるアルバイト・パートの人件費から始めて、慣れてきたら社員人件費の週割りを足す、という順番が現実的です。基準を月の途中で変えないことだけ守ってください。

Q. 毎週の集計が続けられるか、正直不安です。

A. その不安は正しいです。この施策のハードルは計算ではなく集計で、手で集めると毎週1時間かかります。まずは割り切った基準で始めて、月曜の答え合わせの習慣を先に作ってください。そのうえで、売上とシフトの数字が自動で並ぶ環境づくりを並行して進める価値があります。答え合わせが1分で終わる環境なら、繁忙期にも習慣が消えません。

Q. 店長に任せてもいい仕事ですか?

A. 任せられますし、むしろ店長教育の教材として優秀です。週予算という基準と、「30分単位・暇な時間帯から・ピークは守る」というルールがセットになっているので、任せても判断がブレにくいからです。おすすめは、最初の2か月はオーナーが自分で回してサイクルを作り、そのあと月曜の答え合わせから店長に渡していく順番です。数字の基準ごと渡せるのが、この施策のいいところです。

Q. 週予算を守れなかった週が続いたら、どうすればいいですか?

A. まず、責める前に疑ってほしいのは予算の方です。売上予測が実態より強気すぎると、率は毎週超えます。過去2〜3か月の週別売上に立ち返って、配分を直してください。予算が妥当なのに超え続けるなら、シフトの組み方そのものに癖がある合図です。どの曜日のどの時間帯で超えているかを見れば、直す場所は自然に絞れます。週管理のいいところは、この「どこで超えたか」が週単位で特定できることです。月次管理では、1か月分がひとかたまりになって、原因までは見えません。


まとめ:週なら、まだ間に合う

要点を3つにまとめます。

  • 月末の反省では取り返せない。日単位では曜日のデコボコに振り回される。週なら曜日が一巡して、月の中でまだ修正が間に合う
  • 1週目の超過3.75万円は、残り3週で週1.25万円ずつの調整で届く。早く気づくほど、修正は小さくて済む
  • 削るのは30分単位・暇な時間帯から。ピークは守る。削りすぎのチェックは人時売上高(私のお店は4,000円)で

明日の1歩は、先週1週間の売上と人件費で、率を1回計算してみることです。電卓とシフト表だけでできます。その1回で、あなたのお店の「本当の調子」が見えます。

この内容は、YouTube「飲食店経営ワンゼミ」教科書シリーズ#07で動画でも解説しています。週別売上予測から週別人件費予算を作る計算欄と、毎週月曜の答え合わせ欄をまとめた書き込み式の「人件費週管理シート」を公式LINEで無料配布していますので、最初の週予算づくりにお使いください。

忙しい日に人を削ってお店を壊しかけた私ですが、週管理で無理なく数字を守れるようになりました。一緒にやりましょう。

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