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売上を上げたいときほど、メニューは「引く」が先でした

売上を上げたい。そう思ったとき、多くのお店が最初にやるのは新メニューの開発です。何かを足せば、売上も足されるはず——そう考えるのは自然なことですし、私も長くそうでした。季節メニュー、限定メニュー、流行の一品。足すことは前向きで、楽しくて、やった気になります。

ところが、飲食店の利益改善策を205個すべて書き出して採点した結果、第3位に入ったのは真逆の施策でした。「おいしくない商品を無くす」。92.5点のS評価です。

私は利益改善策の一つひとつを、「年間いくら利益が増えるか」「いくらかかるか」「効果が出るまで何か月か」の3つの基準で、100点満点の採点をしました。205個の中の第3位ですから、ほとんどの施策より上です。しかも、かかるお金は0円。新メニュー開発のような試作費も食材費もかかりません。むしろ仕込みと食材が減って、お店はラクになります。

申し遅れました。私は飲食店の店長を10年、経営を25年、コンサルタントを15年やってきました。今は飲食店専用のPOSレジを作る会社を経営しながら、60席の焼肉店を自分で経営しています。この記事の試算はすべて、その実在するお店(月商500万円・客単価6,000円)の数字で行います。

私自身、これまでたくさんの商品をメニューから消してきました。この記事では、その基準と手順、そして「消せなかったせいで失敗した話」まで、全部お話しします。読み終わる頃には、消す候補の見つけ方が、そのまま使える手順として手元に残っているはずです。

採点の内訳は、この施策の正直な姿です

まず点数の中身からお見せします。

  • インパクト10点(満点):再来店を静かに減らし続ける原因を止めるので、年間の効果は500万円クラス
  • コスト10点(満点):消すのにかかるお金は0円
  • 時間5点:効果はリピートのサイクルで表れるため、ある程度実感できるまで半年と辛めに採点

インパクトとコストがそろって満点という施策は、205個の中でもごくわずかです。効果が大きい施策はたいていお金か時間がかかり、タダの施策はたいてい効果が小さい。この施策は「効果は年間500万円クラス、費用は0円」という、採点表の上で異彩を放つ存在でした。

一方で、時間の5点は正直に受け取ってください。今日消して明日売上が伸びる施策ではありません。効果はリピートのサイクルが一巡して初めて数字に表れるので、実感まで半年。即効性はないけれど、止めた流出は止まったまま。じわじわ効いて、ずっと効き続ける。そういう性格の施策です。

メニューの施策なのに、正体は「リピート対策」です

メニューの問題?いいえ、正体はリピート対策です

注目してほしいのは、この施策がある「場所」です。

利益改善のロジックツリーで言うと、「売上を上げる→客数を増やす→リピート客を増やす→お客様の不満を無くす」の枝にあります。メニューの話なのに、メニューの枝ではなく、リピートの枝。ここに、この施策の本質が全部詰まっています。

おいしくない商品を消しても、新しいお客様は増えません。増えるのは「もう一度来てくださるお客様」です。一度来てくださったお客様が戻ってこなくなる原因を、メニューの中から取り除く。新規のお客様を集める施策ではなく、せっかく来てくださったお客様を失わないための施策なのです。

飲食店の売上は、新規のお客様と、繰り返し来てくださるお客様でできています。そして月商の土台を支えているのは、圧倒的に後者です。私のお店で言えば、月におよそ830人のお客様の多くが、初めての方ではなく「また来てくださった方」です。この土台に穴が空いていたら、上からいくら新規を注いでも貯まりません。メニューを1品消すことは、その穴を塞ぐ作業です。

お客様は文句を言わずに消える

「おいしくない」と言ってくれるお客様は、ほとんどいません。何も言わずに完食して、笑顔で会計して、そして二度と来ない。これが飲食店で一番怖いパターンです。

考えてみれば当然です。わざわざ「これ、おいしくなかったです」と伝えるのは、お客様にとって気まずくて、面倒で、何の得もありません。だから黙って、静かに、選択肢からあなたのお店を外します。アンケートにも書かれません。口コミにもなりません。ただ、来なくなるだけです。

数字にします。私のお店は、お客様が月におよそ830人です(月商500万円÷客単価6,000円)。仮に「おいしくない一品」に月50人が当たり、そのうち半分の25人が再来店をやめたとします。これが毎月積み重なると、1年で約300人のお客様を失う計算です。おひとりが年に4回来てくださるとすれば、失う売上は300人×4回×6,000円=年間およそ720万円

たった一品が、静かにこれだけの売上を消していきます。逆に言えば、その一品を消すだけで、この流出が止まる。インパクト満点の理由です。

この流出の一番怖いところは、日々の売上に見えないことです。今日の売上が下がるのではなく、「来月来るはずだった来店」が消えていく。レジの数字を毎日見ていても気づけません。クレームも入りません。気づく手がかりは、お客様の言葉ではなく、商品の「出数」という数字の中にあります。だからこそ、後ほどお話しする手順で、数字から逆算して見つけにいく必要があるのです。

「おいしくない」は、味だけの話ではありません

ここが今日の記事で一番大事な定義です。「おいしくない商品」の意味を、広く取ってください。

お客様の期待を下回る商品は、全部「おいしくない商品」です。

  • 提供が遅い商品:お腹を空かせて待たされた時間は、味の記憶を上書きします。味は良くても「遅かった」が最後の感想になります。
  • 値段に見合わない商品:おいしさが普通なら、値段が高いほど評価は下がります。同じ一品でも、期待した金額との差で「おいしくない」に変わります。
  • 写真と違う商品:メニューの写真は期待を作る装置です。実物がその期待を下回れば、味の前に信頼が削れます。

お客様の「期待」は、写真・値段・お店の雰囲気・前回の記憶で、注文の前にすでに出来上がっています。商品はその期待と比べられます。つまり判定の物差しは、お店側の「おいしいはず」ではなく、お客様の「期待を超えたかどうか」。この物差しに替えるだけで、メニューの見え方がガラッと変わります。

私が消してきた商品たち——味がダメだったものばかりではありません

私はこれまで、たくさんの商品をメニューから消してきました。振り返ると、味がダメだったものばかりではありません。

おいしくても、調理に時間がかかりすぎる商品を消しました。その一品のせいで他の料理まで遅れて、テーブル全体の満足度を下げていたからです。注文したお客様は満足しても、同じテーブルの他の方の料理が遅れたら、そのテーブルの体験としては負けています。

オペレーションに負荷がかかる商品も消しました。注文が入るたびに厨房の流れが乱れる商品は、暇な日には問題が見えません。忙しい日、一番売上を作れるはずの日に限って、お店全体の提供を遅らせます。

仕込みが大変な商品も消しました。仕込みに取られた時間は、タダではありません。看板商品の質や、スタッフの余裕や、営業前の準備の丁寧さから削られています。

そして、その商品にしか使わない食材で、腐らせてしまう商品。専用食材のロスは、その商品が売れても売れなくても発生し続けます。冷蔵庫の隅で傷んでいく食材は、誰も注文していないのにお金を減らしていきます。

理由はさまざまですが、共通点はひとつです。どれも、お店の総合力を下げていました。一品だけを見れば「おいしいのにもったいない」。でも、お店全体で見れば足を引っ張っていた。メニューの判定は、一品単位ではなくお店全体の総合力で行う。これが、消してきた経験から得た結論です。

消す商品の見つけ方と消し方——3ステップ

簡単3ステップ!消す商品の見つけ方と消し方

手順に落とします。用意するのはレジの集計(なければ伝票)とメニュー表だけです。特別な道具も、コンサルタントも要りません。

ステップ1:出数ワースト10を出す(今週)

レジから商品別の出数を出して、下から10品を並べます。

出ない商品は、お客様がすでに「選ばない」という投票をしている商品です。こちらが気づいていないだけで、投票結果はとっくに出ています。このワースト10が、消す候補を探す捜査線上のリストになります。

ここで大事なのは、記憶でやらないことです。「あれはあまり出ていない気がする」という感覚は、思い入れのある商品ほど甘くなります。逆に、気にも留めていなかった商品が下位に沈んでいることもあります。必ず数字で並べてください。数字で並べること自体が、思い出や好みというノイズを消す作業になっています。

ステップ2:4つの質問で判定する

リストの一品ずつに、この4つを聞きます。

  • 注文が入ると、厨房は嬉しいか?(ため息が出る商品は負荷が高い)
  • この商品にしか使わない食材があるか?(専用食材はロスの温床)
  • 提供に時間がかかりすぎていないか?
  • 看板商品と役割がかぶっていないか?

2つ以上「はい」が付いたら、消す候補です。

味に自信が持てないときは、常連のお客様に「正直どうですか」と聞くのが一番早い方法です。常連のお客様は、お店に良くなってほしいと思ってくださっているから、正直に答えてくださいます。初めてのお客様には聞けないことを聞ける。これは常連のお客様がいるお店だけの財産です。

ステップ3:1品消して、4週間だけ数字を見る

一気に消さず、まず1品です。メニューの刷り替えか品切れ表示で外して、4週間、売上と残りの商品の出数を見ます。いきなり刷り替えるのが怖ければ、品切れ表示から始めれば、いつでも戻せます。

見るのは2つ。お店全体の売上が落ちていないか。そして、消した商品の注文が、他のどの商品に移ったか。

私の経験では、消した商品の売上は他の商品にほぼ移ります。お客様は「あのお店に行く」ことを決めてから品を選ぶので、選択肢が1つ減っても来店は減らないのです。ここを数字で確かめられると、消すことへの恐怖が消えます。確かめられたら、次の候補へ。この「1品ずつ・4週間ずつ」のリズムが、怖がらずに続けるコツです。

4つの質問には、それぞれ意図があります

ステップ2の質問を、もう一段深掘りしておきます。なぜこの4つなのか。

「厨房は嬉しいか?」は、その商品のオペレーション負荷を一番よく知っている人に聞く質問です。数字に出る前の異変は、作っている人のため息に出ます。注文が入った瞬間に空気が重くなる商品は、忙しい日にお店全体の提供を遅らせている疑いがあります。逆に、注文が入ると厨房が張り切る商品は、お店の推進力です。

「専用食材があるか?」は、メニューに載っている限り発生し続ける隠れコストを探す質問です。その商品がほとんど出なくても、食材は仕入れて、保管して、使い切れなければ捨てることになります。出数の少ない商品×専用食材は、ロスの組み合わせとして最悪です。

「提供に時間がかかりすぎていないか?」は、その一品がテーブル全体の体験を下げていないかを見る質問です。一品の遅れは、その一品の評価では済みません。「あのお店は遅い」という、お店全体の評価になって返ってきます。

「看板商品と役割がかぶっていないか?」は、メニューの中での存在意義を問う質問です。似た役割の商品が2つあると、お客様は迷い、注文は割れ、どちらの商品も磨かれません。役割がかぶった側の一品は、看板商品に席を譲った方がお店のためになります。

4つに共通しているのは、「味がおいしいか」を聞いていないことです。味は大前提として、その先の「お店の総合力を下げていないか」を炙り出す質問です。だから、料理に自信のある方ほど、この4つの質問が効きます。

逆の失敗談——消すべきものを残す方が、お客様を傷つける

ここで、私の失敗談をお話しします。消した話ではなく、消せなかった話です。

なかなか手に入らない食材の商品を、ずっとメニューに残していたことがあります。

その商品が食べたくて来店してくださる方がいるのに、用意できない日が続きました。楽しみに来てくださったお客様に、「今日はありません」を何度も言うことになる。「嘘つきなお店」と感じられてしまったこともあると思います。

メニューは、お店からお客様への約束です。載せている以上、「ここに来ればこれが食べられる」という約束をしていることになります。守れない約束を載せ続けることは、約束を破り続けることと同じでした。

消すべきものを残す方が、消すより、ずっとお客様を傷つける。この失敗から学びました。「消すのはお客様に申し訳ない」と感じている方にこそ、この話を届けたいのです。順番が逆でした。残す方が申し訳なかったのです。

メニューを消せないお店の2つの罠

消し方の手順が分かっても、実際には消せないお店が多いのです。理由ははっきりしていて、2つの罠があります。

罠1:思い出で守る

「創業時からある」「自分が好きだ」「作るのが得意だ」。

気持ちは痛いほど分かります。創業時から支えてくれた一品には、商品以上の思い入れがあります。でも、これは全部お店側の都合です。判定基準はひとつだけ、お客様の期待を超えているかどうか。自分の思い出は、お客様の再来店より軽い。辛いですが、ここが経営者の仕事です。

思い出のある商品ほど、ステップ1の数字とステップ2の質問に素直に通してください。数字と質問は、思い出に忖度しません。それでも残る商品なら、堂々と残せばいいのです。数字を通した上で残した商品は、「なんとなく残っている商品」ではなく「選ばれて残った商品」に変わります。

罠2:消した後の売り場を放置する

1品消すと、メニューに空白ができます。ここに何もしないと「品数が減った」という印象だけが残ります。

空いた場所には、看板商品や低原価の売りたい商品を大きく載せ直してください。消すことは、売りたい商品に光を当てるチャンスでもあります。

メニュー表は、お店の中で一番よく読まれる販促物です。ほぼすべてのお客様が、注文の前に必ず読みます。その一等地を、選ばれていない商品が占領していたと考えてみてください。1品消すという施策は、実は「メニューの売り場替え」とセットで完成します。消して、空けて、売りたい商品を大きく。ここまでやって1セットです。

業態別の読み替え

お店の業態によって、手順に補正を入れてください。

ラーメン店など、品数の少ない業態

1品の重みが大きいので、消す前の「常連さんに聞く」を必ず挟んでください。品数が少ないお店の1品は、それを目当てに通っている方がいる可能性が、品数の多いお店より高いからです。

居酒屋など、メニューが多い業態

ワースト10ではなく、ワースト20から始めても大丈夫です。品数が多いぶん、下位には消す候補が多く眠っています。判定の質問は同じ4つで通用します。

デリバリーをやっているお店

店内とデリバリーで「おいしくない」の基準が変わります。店内で人気の商品でも、冷めてもおいしいかは別の話です。店内の判定とデリバリーの判定を、必ず分けて行ってください。店内の看板商品が、デリバリーでは「おいしくない商品」になっていることもあります。

1品消すことが変えるのは、メニューだけではありません

この施策の効果は、リピートの流出を止めることにとどまりません。少し引いた視点で3つ挙げます。

ひとつ、厨房がラクになります。調理に時間がかかる一品、流れを乱す一品が消えると、忙しい日の厨房に余裕が生まれます。その余裕は、残ったすべての商品の提供スピードと質に回ります。消した一品の分だけ、他の全部が良くなるのです。

ふたつ、ロスが減ります。専用食材の仕入れが止まり、仕込みの量が減り、冷蔵庫に空きができます。「無くす」という施策なのに、得られるものはスペースと時間とお金。かかる費用が0円どころか、財布にも冷蔵庫にもプラスで返してきます。

みっつ、看板商品が磨かれます。注文が分散しなくなると、残った商品、とくに看板商品の出数が上がります。作る回数が増えた商品は、腕が上がり、提供が速くなり、さらに選ばれるようになります。メニューを絞ることは、看板商品を育てる施策でもあるのです。

半年ロードマップ:時間5点の道のり

採点で時間5点=「実感まで半年」とした道のりを、時系列にしておきます。

  • 今週:出数ワースト10を出す。4つの質問で判定して、消す候補を決める
  • そこから4週間:まず1品消して、売上と残りの商品の出数を見る。売上が他の商品に移っていることを数字で確認する
  • 確認できたら:次の候補へ。「1品・4週間」のサイクルを繰り返す
  • 半年後:期待を下回る商品が消えたメニューで、リピートのサイクルが一巡。再来店の流出が止まった効果が、数字として実感できる頃です

途中で「消したのに売上が変わらない」と感じる期間があります。それで合っています。この施策の効果は「増える」ではなく「消えるはずだったものが消えなくなる」なので、実感は遅れてやってきます。だからこそ、4週間ごとの数字の確認を灯りにして進んでください。

「消す勇気」は、数字の裏付けがあって初めて持てます

ここまで読んで、「うちもやってみよう」と思ってくださった方に、先にお伝えしておきたいことがあります。

この手順で作業量が集中するのは、ステップ1の商品別出数と、ステップ3の4週間の答え合わせです。伝票の手集計だと、1回2時間仕事になります。

2時間かけて数えた数字と、自動で出てくる数字は、同じ数字です。でも、続くかどうかが違います。商品別の数字が自動で集まる環境なら、どちらの作業も1分です。ステップ3の「4週間だけ数字を見る」も、毎週1分なら習慣になります。

「消す勇気」は、性格や覚悟の問題ではありません。数字の裏付けがあって初めて持てるものです。消した後に「売上は他の商品に移っている」と数字で確かめられるから、次の1品に進めます。数字が見えないまま消すのは勇気ではなく賭けになってしまい、賭けは続きません。メニューの見直しを機に、商品別の数字の出し方も一度見直してみてください。

よくある質問

Q. 消したら、その商品が好きだったお客様に悪くないですか。

A. その心配ができる方は、お客様思いの良い経営者です。だからこそ手順を踏んでください。出数ワースト10は「選ばれていない」という投票結果ですし、心配な商品は消す前に常連のお客様に聞けます。そして私の失敗談の通り、期待を下回る商品や守れない約束を残す方が、お客様をずっと傷つけます。

Q. 売上が下がりそうで怖いです。

A. だからこそ「まず1品・4週間」なのです。私の経験では、消した商品の売上は他の商品にほぼ移ります。お客様は「あのお店に行く」と決めてから品を選ぶからです。万一数字が悪ければ、メニューは戻せます。1品ずつなら、賭けにはなりません。

Q. 品切れ表示と刷り替え、どちらで消せばいいですか。

A. 迷うなら品切れ表示からで大丈夫です。いつでも戻せる形で始めれば、心理的なハードルが下がります。4週間の数字で「消して問題なし」と確かめられたら、次の刷り替えのタイミングで正式に外し、空いた場所に売りたい商品を大きく載せてください。

Q. 何品まで消していいのですか。

A. 上限を先に決める必要はありません。1品消して、4週間見て、数字で確かめてから次の候補へ。このサイクルを回した結果が、あなたのお店の適正な品数です。一気に何品も消すことだけは避けてください。何が効いたのか分からなくなります。

Q. 新メニューを足すのはダメなのですか。

A. 足すこと自体は否定しません。順番の話です。期待を下回る一品が残ったまま足しても、お店の総合力は上がりません。引いてから、足す。消して空いた売り場は、新しい看板候補を大きく載せる一等地としても使えます。

Q. 味がおいしいかどうか、自分では判定できません。

A. 作った本人が一番判定しにくいのは当然です。常連のお客様に「正直どうですか」と聞くのが一番早い方法です。それに、4つの質問は味以外を見る質問です。厨房の負荷・専用食材・提供時間・役割かぶり。味の自信と関係なく判定は進められます。

Q. スタッフが「消さないでほしい」と言います。

A. 一緒に判定してみてください。4つの質問の最初は「注文が入ると、厨房は嬉しいか?」です。これは厨房のスタッフにしか答えられない質問で、判定の主役はスタッフです。数字と質問を一緒に見れば、「オーナーが勝手に消した」ではなく「お店のみんなで選んだ」に変わります。それに、負荷の高い一品が消えて一番ラクになるのは、厨房のスタッフ自身です。

Q. どの数字から見ればいいですか。

A. 商品別の出数、これだけです。売上金額より先に、出数を下から10品。お客様の投票結果が一番素直に出る数字だからです。レジで商品別の集計が出るならすぐ、出ないなら伝票からで大丈夫です。

まとめ:足す前に、引く

要点を3つにまとめます。

  • お客様は文句を言わずに消える。期待を下回る一品が、月商500万円のお店で年間およそ720万円の売上を静かに消す
  • 「おいしくない」は味だけではない。提供の遅さ・値段・写真とのギャップまで含めた「期待を下回る商品」全部
  • 手順は3ステップ。出数ワースト10→4つの質問(2つ以上「はい」で候補)→まず1品消して4週間だけ数字を見る

明日の1歩はこれだけです。出数ワースト10のリストを出してください。リストさえ出れば、4つの質問はその場で始められます。

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